皆さん、こんにちは。
春の訪れが感じられ、朝夕の空気にも季節の変化が表れる時期となりました。年度の節目を迎えるこの時期に、私はこれまでの歩みを振り返りながら、当社がこれからどのような価値を提供し続けるべきかを改めて考えております。
最近、私がAIを秘書のように活用しているという話を耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。実際にその通りですが、判断そのものをAIに任せているわけではありません。私がAIに求めているのは、規格の解釈や日々の疑問に対して、製品安全評価・認証業の歴史的背景を踏まえた理解ができているかを確認することです。また、自分の考えの整理や、製品安全に関する見方に偏りがないかの確認、さらに提案書や各種文書の表現および論旨の点検にも活用しております。
しかし、お伝えしたいのはAIの有用性そのものではありません。AIはあくまで道具です。最終的に判断し、責任を負うのは人であり、その人の良心と組織の哲学です。当社が今日まで成長してきたのは、一人の力によるものではなく、多くの人の積み重ねによるものです。お客様と向き合い、信頼を築いてきた一つひとつの取り組みが、現在の当社を形づくっています。
だからこそ、私たちは常に次の姿勢を大切にしたいと考えております。
業界に義を尽くすこと。お客様に義を尽くすこと。
ここでいう「義を尽くす」とは、単なる精神論ではありません。目の前の案件を丁寧に仕上げること、規格の記載だけで思考を止めることなく、その製品が市場で長く安全に使用される姿まで想像すること、そして不安を抱える方の立場に立って対応すること――これらすべてが実践です。
春になると、日本蜜蜂は分蜂の時期を迎えます。一つの群れが新たな命を育み、役割を分担しながら新しい場所へ広がっていきます。その姿には、自然の厳しさとともに、受け継がれる秩序と知恵が表れています。組織も同様に、個々の力だけでなく、全体が目的を共有し、それぞれが役割を果たすことで、持続的な強さが生まれます。
当社は、知識や哲学、志を受け継ぎながら、次の時代へ確かな価値を届けていく存在であり続けたいと考えております。今後ともご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

