早朝から気温の高い日々が続いていますが、読者の皆様には体調を崩さないようにご自愛下さい。

製品安全認証の代行業者としてスタートした当社でしたが、お客様からの多様な要望を一つずつ実現して対応することで、ここまで成長させていただきました。残念ながら 2011 年には、行政指導を受けましたが、それから監督省庁のご意見を一つの指針として業務を展開してきました。その後、長岡科学技術大学で学び、経済産業省出身の教授と話し合う機会などを通じて、認証・評価業務をさまざまな面から見るようになりました。そして、ご指導いただいた故高杉和徳氏が残してくれた書籍“我が国の第三者検査機関を語る”に出会い、一層、私たちは業界で求められていると確信しましたが、まだ独りよがりの思い上がりの領域から出ることができないでいました。

そんな中、NITE 創立 30 周年記念として 2023 年 6 月 15 日に一橋大学の江藤学特任教授が講演された“標準化と適合性評価の未来”のビデオが YouTube に公開されているのを見つけました。ぜひ皆様も観ていただきたいと思います。“認証・評価業務はサービス業務”、“認証・評価業務は、ビジネスマインドを持って民間企業が担当、発展させるべき”という江藤教授の言葉を聞き、1987 年の創業時の私の想いをまとめていただいたようで、感激して涙が出ました。

このビデオでは“品質チェーンとスキームオーナー”についても説明がありました。当社が国から認定を受けて登録検査機関、あるいは登録認証機関となっている電気用品安全法や薬機法などの法に基づく認証制度では、国が“スキームオーナー”となり、ルール作りや各ステークホルダーの役割を決めています。一方、当社の“CSC マーク認証”については当社が“スキームオーナー”となります。“スキームオーナー”にはそれぞれの方針があります。国の認証制度については“スキームオーナー”である国の方針から逸脱しないように、業務を進めてまいります。

当社の認証を受ける製品の場合を除き、お客様から当社にいただいた目視評価による規格適合判断に関して、規格の技術的規定や要求事項を正しく製品に取り入れていただけるよう、お客様が納得していただけるまでご質問を受け入れ、説明させていただきます。また、認証業務で当社が行った適否の判断について説明を求められた場合にも、丁寧な対応を心がけてまいります。

前述の江藤教授の言葉を当社への最高の応援歌として大切にし、ビジネスマインドを持って、常により良いサービスが提供できる組織として活動し、また、ISO 17021 で求められる倫理的行動ができ、IEC や ISO のワーキンググループに参加できる製品安全技術者の育成に全力を注いでいきます。

引き続き、ご支援、ご高配を賜りますよう、お願い申しあげます。